西多久町の生産者が作った女山大根=2020年1月、西多久公民館

 農林水産省は、伝統ある農林水産物の名称を地域の知的財産として国が保護する「地理的表示(GI)保護制度」で、多久市西多久町で栽培されている在来種の「女山大根」を登録した。佐賀県内では初めて。

 GI登録産品は夕張メロンが知られており、今回を合わせると120産品となる。名称を不正に使用した場合は、国が5年以下の懲役刑や500万円以下の罰金を求めるなど罰則付きの措置命令を出す。

 女山大根は一般的な青首大根より大きく、赤紫色が特長。成長すると4、5キロになり、大きなものは10キロを超える。肉質が緻密で「す」が入りにくく、青首大根より糖度が高い。煮崩れしづらく煮物や汁物、あえ物に使われている。

 1995年にできた町の直売所「幡船(ばんせん)の里」の目玉にしようと、直売所を営む農家たちが当時、わずかに作られていた女山大根の種を県の研究施設に持ち込んだ。交配や選抜を重ねて復活させて、2003年から栽培を始めた。

 現在は農家約30人が8月中旬に種をまき、11月末から翌年2月にかけて出荷する。昨年は約1千本を出荷した。2020年に特許庁から商標登録されており、幡船の里運営協議会事務局の諸江啓二さんは「江戸時代から栽培され、明治初めになくなった女山村の名前を残す伝統野菜。国の力を借りながら守っていく」とした上で「酢をかけると桜色に変わる。加工品やカット野菜としての販売も検討していきたい」と意気込みを語った。(大田浩司)