鳥栖市が幸津町に造成する新産業集積エリアにアサヒビールの博多工場(福岡市)が移転する計画について、市は30日、議会全員協議会を開き、橋本康志市長が概要説明した。操業開始までの1期工事の投資額は400億円規模が予定され、固定資産税は年間5億円が期待されるという。7月6日に用地の財産処分を臨時議会を諮り、可決されれば正式契約となる。
市は産業用地の全てに当たる21ヘクタールを91億円で売却する仮契約を28日に結んだ。新工場は建物面積約6万平方メートルを計画し、2024年1月に着工、26年1月に操業開始を予定。スタート時は正社員122人と系列会社の社員94人を含む216人態勢という。
造成工事はこれから市が行うが、企業側の建設開始予定まで1年半しかない。橋本市長は「配置計画に沿ったオーダーメード型の造成工事と大幅な期間短縮が必要」として同社が選定する施工業者と市が随意契約を結び、業者選定時に市内業者による共同企業体や下請けを条件とする考えを示した。
議員からは地元説明会の開催要望などが上がり、市担当者は「造成開始前には住民説明会を予定している。早ければ8月にもできないか検討したい」と説明。工場が利用する水については「(筑後川水系の)宝満川から取水する県東部工業用水道の使用を想定していると聞いており、渇水時の市水道などに影響はないと認識している」とした。(樋渡光憲)