「湯水のごとくお金を使う」という言葉がある。浪費、無駄遣いとも解釈される。わが身を振り返ると、惜しげもなく水を使っている気はする。日本の平均降雨日数は年間90日程度とされ、4日に1回は雨が降る計算。だから「日本は水が豊富」と感じるのかもしれない。現実はそうではない◆佐賀県を含む九州北部がきのう梅雨明けした。6月なのに「危険な暑さ」が続いていた。今月11日の梅雨入りから17日間での梅雨明けとなれば1951年の統計開始以来最も短くなる◆空梅雨に猛暑といえば、1994年夏を思い出す。この年は7月1日に梅雨明けし、16日に佐賀市で観測史上最高の39・6度を記録した。冷夏で「コメ不足」となった前年から一転、渇水で給水制限が相次いだ。水不足はつらかった◆ただ、93、94年も異常気象といわれた。「人間が騒いでいるだけ。誤差の範囲内」が、地球の言い分かもしれない。確かに天気は思い通りにはならない。一方で「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」という言葉もある◆私たちにできることは必要性を見極めた上での「倹約」だろう。資源は有限。ウクライナ情勢で食料危機も現実味を帯びる。可能な範囲での節水、節電、食品ロス防止…。湯水のごとくが「大切に」という意味になるよう日々の暮らしを見直したい。(義)

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