水難事故に対処する救助の手順を確認した小城消防署の訓練=佐賀市の嘉瀬川

 佐賀県内は、間もなく夏本番を迎える。川遊びや海水浴などの夏場のレジャーを楽しむ際は、水難事故への注意が必要になる。佐賀広域消防局によると、管内の水難事故は6月~8月に集中。この間、保護者が目を離した隙に子どもが川に落ちたり、流されたりするケースが多く、注意を呼びかけている。

 同消防局によると、佐賀市近郊の管内では2017年から21年までの5年間に水難事故は計89件発生し、救助に出動した。うち28・5%は6月~8月に発生している。特に、8月は帰省した子どもが慣れない場所で魚取りや川遊びをしていて事故に遭うケースがある。管内では昨年5月、多久市の公園に遊びに来ていた当時5歳の園児2人が公園内の池でおぼれて亡くなる事故も起きている。

 消防では6月上旬、水難事案でゴムボートを扱う訓練を実施し、救助の手順を確認した。7日に嘉瀬川河川敷で訓練した小城消防署の林田学署長は「訓練を積み重ねて、対処能力を向上している」と話す。

 佐賀広域消防局は、川遊びのほか、クリークや池での事故、プールや海でおぼれてしまうなどの事案が想定されるとして「レジャーなどを楽しむ際は、小さな子どもから目を離さないように、細心の注意を」と呼びかける。(中島幸毅、樋口絢乃)