佐賀県内でここ数年相次ぐ大雨災害では、車両の浸水トラブルが多発している。県民にとって車は通勤や生活の足として欠かせない存在であり、どの程度の雨までなら車を運転していいのか、判断は難しい。やむを得ず冠水している道を通った場合も、その後の対応で悩んだ人は多いはずだ。大雨から車を守るためのポイントをまとめた。

冠水して川のようになった道路を、波を立てて進む車の列=昨年8月、佐賀市天神(画像の一部を加工しています)

 県内では、昨年まで4年連続で大雨特別警報が発令されている。日本自動車連盟(JAF)佐賀支部によると、昨年8月中旬に県内を襲った記録的大雨で、冠水・水没した車の救難要請件数(13~15日)は183件。2019年の佐賀豪雨では、8月28日から9月1日までの5日間で864件に達した(件数はいずれも速報値)。

 大雨時の「車の防災」を考える上で同支部はまず、不要不急の外出と車の運転を控えるよう求める。その上で、運転をする際には危険な場所に近づかないようアドバイスする。地下道や高架下などのアンダーパスは低い位置にあり、水がたまりやすい。

 冠水した道路の通行は避けたい。セダンタイプの車を使った冠水路でのJAFの走行テストでは、水深30センチの場合、時速10キロだと前方のバンパーに水が接する程度だが、30キロで走ると巻き上げる水の量が増えエンジンルームに水が入った。これが水深60センチになると、時速10キロでもエンジンが停止した。

 実際には運転中に水深を測るのは難しく、排水溝やマンホールで脱輪する恐れもある。回り道が原則だが、やむを得ず水深が浅い場所を走る場合は、低速での運転を心がけたい。ハイブリッド車や電気自動車は車体裏に高電圧の配線があり、水の巻き上げに注意が必要だ。

 水に漬かった車は、一見問題がなさそうでも、感電事故や電気系統のショートなどによる車両火災の恐れがある。いきなりエンジンをかけず、ボンネットを開けて水に漬かっていれば販売店や整備工場に相談するよう同支部は呼びかける。余裕があれば、自分でバッテリーのマイナス側のターミナルを外すことも検討したい。

 

 県内では、災害時の車の避難場所を確保する動きが広がっている。昨年4月、県と県遊技業協同組合はパチンコ店の駐車場を災害時に活用する協定を結んだ。15市町の50店舗が利用可能だ。武雄市は今年、車の避難場所をこれまでの1600台から約5千台へと大幅に拡充。三養基郡みやき町も車と農機具の避難場所約640台分を確保した。

 人と同様、車の安全を守るために大切なのが事前の情報収集。あらかじめ車の避難場所を確認し、危険な場所や冠水しやすい道路をハザードマップでチェックしたい。(江島貴之)

 

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