7位決定戦・トヨタ紡織九州-湧永製薬 前半、右サイドを駆け上がりシュートを放つトヨタ紡織九州の荒川蔵人=福井県のトリムパークかなづ

 手術明けの主将がチームを鼓舞しながら走り抜いた。右膝の治療を終え、先週練習に復帰したばかりの荒川蔵人。競り負けが続いた重苦しい空気を吹き飛ばし、勝利を呼び込んだ。

 出番は突然やって来た。開始5分。大会中に大きく成長したルーキーの中田航太が負傷退場した。荒川は「全体練習に参加したのは4回ほど。チームプレーと体の両面で試合に出られるレベルじゃない」と不安もあった。だが、「常に味方の士気を高めることが自分の役割」と自分を奮い立たせコートに向かった。

 仲間に声を掛け、戦うムードをつくるとともに、同点の場面で、幾度も勝ち越しのシュートを決めるなど、プレーでも引っ張った。後ろを守ったGK中村光は「コートの空気が変わった」と「頼れるリーダー」に感謝した。岩本真典監督は「荒川を先頭にチーム全員で声を出し合い、崩れそうなところで粘ってくれた」とねぎらった。

 昨季は5位に終わったリーグ開幕は1週間後。荒川は「一戦一戦勝ちにこだわるだけ」。勝利を積み重ねた先のタイトル奪取へ。チームを先導する決意を込めた。(鶴澤弘樹)