佐賀県は23日、災害時などの行方不明者の氏名公表に関し、最近の全国的な事例に基づき、仮に県内で発生した場合の対応を例示した。捜索、救助への影響などを勘案し、昨年7月の静岡県熱海市の大規模土石流と同様のケースならば公表し、今年5月の北海道・知床半島沖での観光船遭難事故のような場合は公表しないとした。

 同日の県議会総務常任委員会の質疑で、危機管理防災課の三角治課長が答弁した。県は「救える命を救う観点から必要と判断される場合には公表する」としており、熱海市のケースのように最大140人の安否が不明で、捜索範囲が上下1キロ、幅120メートルに及ぶ場合、不明者本人や関係者から無事の連絡が入ることで捜索範囲を狭め、集中的な救助をできることから「氏名を公表する可能性は非常に高い」とした。

 一方、知床の観光船遭難事故のように乗船者を把握できる場合、「氏名を公表したとしても捜索の範囲や方法に影響はないと考えられるため、公表しない可能性が高い」と答えた。

 その上で、あくまで全く同じ事例があった想定での対応であり「土砂災害なら公表、事故なら公表しないというわけではない」として個別の状況に応じて判断する考えを示した。

 一部の自治体が国に対して統一的な公表基準を策定するよう要望していることに関し、三角課長は複数の県にまたがる大規模災害時には国の基準があった方がいい場合もあるが、「基本的には現場の状況を分かっている人が公表するかどうか判断すべき」とした。(栗林賢)