県立中高の通学区域廃止を巡り、質疑があった佐賀県議会文教厚生委員会=県議会棟

 佐賀県議会は23日、常任委員会の質疑があった。県立中学、高校の普通科の通学区域が2023年度から廃止されることを巡り、県教育委員会は「廃止しても大きな影響や混乱はないと判断し、中学や高校と協議しなかった」との見解を示し、現場と議論なく廃止を決めたと説明した。

 県内の通学区域は、15年度まで東部、中部、北部、西部の4学区に分かれ、16年度から東部と西部の2学区に統合。これまでも学区が異なる県立中高は受験できたが、学区外からの入学者は募集定員の20%以内としていた。県教委は22年6月上旬に廃止を決めた。

 23日の文教厚生常任委員会で徳光清孝議員(県民ネット)は、通学区域廃止で特定の高校に入学希望が集中し、一部で定員割れが加速する可能性を踏まえ、廃止決定までの議論の経過や影響をただした。

 上赤真澄教育振興課長は「全県1区とすることについては、2学区とした後の通学状況などを検証しながら引き続き検討していく」とした14年策定の県立高校再編整備実施計画を引き合いに出し、「学区外からの入学が上限の20%を超える状況はなく、県教委での議論を踏まえて廃止した」と説明した。

 廃止のメリットには、中学生の目が県内全域に向き、学校選びの選択肢が広がることを挙げた。

 落合裕二教育長は「(学区外入学は)心理的に抑制効果があった可能性はあり、廃止後は特定の学校に集中する懸念はある。そこはしっかりと注視する」とした上で「廃止決定に際して高校や中学の困り感があれば、手当てをしていきたい」と述べた。

 総務、農林水産商工、地域交流・県土整備の各常任委の質疑も実施された。(円田浩二)