桃林窯の吉田求さん

粉引きの柔らかい乳白色のティーセット。手前がカップ、奥はティーポット(右)とシュガーポット

 桃林窯は武雄市山内町の黒髪山の麓にある窯元です。吉田求さん(65)は、福岡の美術学校を卒業後、有田の磁器メーカーで商品開発の仕事に携わっていました。1997年に山内町に開窯、独立しました。「鋳込み型の設計の仕事をしていましたので、ろくろ技術を使った作品創りをしたいと無我夢中でした」と語ります。陶器の方が表現の柔軟性があると、真逆の世界に飛び込んだとか。

 吉田さんは粉引き、焼き締め、青織部の皿やマグカップなどの食器と花器を中心に制作しています。粉引きの作品は柔らかい乳白色で料理を引き立て、食卓を和ませる器として高い人気があります。粉引きは、ろくろで成形した後、半乾きのうちに化粧土をかけ、釉薬をかけて焼成するという「生掛け」の技法で制作しています。

 この技法は生地と化粧土、釉薬との相性が重要で、自分が納得いく作品を創るために独立当初からこの技法にこだわっています。黒髪山の新緑をほうふつとさせるような緑色に発色した青織部もまた人気の作品です。

 「令和の時代になっても今までと変わらないこだわりを大切に、心と食卓を和ませる作品を創っていきたい」と抱負を語っています。問い合わせは、電話0954(45)6186。

 (地域リポーター・二宮幸枝=江北町)