研究成果の発表に、歴史愛好家らが熱心に聞き入った=佐賀市の佐賀城本丸歴史館

 佐賀に関する歴史や文化の研究を支援する公益財団法人鍋島報效会(佐賀市)の研究助成事業の成果報告会が19日、佐賀市の佐賀城本丸歴史館で開かれた。1団体と2人が登壇し、歴史愛好家ら約50人が熱心に耳を傾けた。

 東京都市大の丸島和洋准教授は「佐賀藩士深江氏旧蔵文書の復元による『家意識』の検討」がテーマ。佐賀県立博物館寄託の「深江家文書」と2003年に佐賀県立図書館が入手した「深江家資料」に注目し、同一文書なのか、深江氏がどの文書を貴重なものとしたのかなどを調査した。

 二つの文書の出所は同じと結論付け、「深江家資料から、鎌倉以来の名族の支証として選ばれたものが深江家文書」との見解を示した。

 北九州市立自然史・歴史博物館の中西義昌さんは「東肥前から見た戦国期筑紫氏の研究」を手がけた。佐賀県側からの筑紫氏の存在や、戦国時代にどのような勢力を持って勝尾城を築いたのかなどを城の特徴や史料から読み解いた。

 福岡大大学院人文科学研究科史学専攻博士課程後期の野下俊樹さんら5人は「中世後期有明海沿岸地域の学際的研究」として石造物や土器、朝鮮陶磁の出土から佐賀平野の特徴を検討。「朝鮮陶磁は沿岸に近いほど多く出る。佐賀平野でも多く、有明海海路を通じた流通の一側面を見られる」とした。(福本真理)