国交省武雄河川事務所は2019年の佐賀豪雨による浸水を受け、六角川水系の治水整備を「河川激甚災害対策特別緊急事業(激特)」に採択し、数々の対策を実施していた。そうした中で21年に再び大雨被害に見舞われ、河道整備の範囲を広げるなど新たな対策を打ち出し、進めている。

 河道掘削は武雄市北方町と朝日町で実施していたが、21年の大雨を受けて同市橘町や杵島郡大町町まで範囲を広げた。掘削とともに河川敷に生育するヨシを伐採し、湛水(たんすい)池を設けて繁茂を抑制する。ヨシの伐採は終わったが、掘削や湛水池の工事はこれからで10月末完了を目指す。

 2度の水害では、六角川が危険水位に達し、低平地にたまった水を川に出す排水ポンプを止める「運転調整」が行われた。浸水区域が拡大した要因で、国は掘削などの対策で運転調整回避を目指しているが、完工していないため「今出水期も運転調整の可能性は残っている」(同事務所)という。

 運転調整が行われた高橋排水機場(武雄市朝日町)では、排水ポンプを増強した。3基のうちの1基を毎秒50立方メートルから53・7立方メートルにアップ。残る2基も今後2年で1基ずつ増強する。東川排水機場(同市橘町)ではポンプの設置場所をかさ上げする耐水対策を取った。

 このほか、小城市での遊水地整備や引堤、武雄市での採石場を活用する洪水調整池整備などの大規模工事もあるが、まだ時間を要しそうだ。(小野靖久)