浚渫工事が終了した市管理河川の蛇神川=武雄市橘町

 2度の浸水被害を踏まえ「ためる」「ながす」「おくる」の基本方針で治水対策を実施している。

 「ためる」では、県が推進する「田んぼダム」の整備に協力する。朝日、西川登、東川登の3町で164ヘクタール、16万トンの貯水量を確保する見通しがついた。5月には先進地の新潟県から講師を招いて講演会を開き、今後も周知を続ける。

 昨年11月から開始したため池の調査は、6月中に中間報告を出す予定。市内430カ所のうち204カ所が六角川水系で、治水用での活用に向け貯水量はいくら確保できるのか検討している。最終報告は同時に進める内水調査と合わせて年度内に取りまとめる。

 市内の公園など公共施設を遊水公園に活用できるか、当初予算に492万円の調査費を計上。調査業務に着手している。

 「ながす」では、市が管理する30の河川の浚渫(しゅんせつ)工事を進める。期間は21~23年度の3カ年。22年度末までに全体の6割を終わらせる予定だ。

 「おくる」では、7千万円で排水ポンプ車を購入した。排水ポンプ部分とポンプを積載する車両を別で発注しており、配備は年度内を目指している。

 このほか市内27カ所の指定避難所に加え、自治公民館や集会所など地域の実情に合わせた避難所の拡充を進める。最終的には107カ所まで増やすことを目指しており、指定避難所と同様に非常食、飲料水を事前配備する。

 市内9町の公民館に土のうステーションを新設する。各100個の土のうを用意し、浸水時に備える。不足する場合は市役所や各消防団が備蓄している土のうと合わせて活用する。

 浸水で住民が孤立した朝日、橘、北方の3町に救命ボートを5台追加配備した。これで市内に24台を配備することになった。

 昨年から確保を進めてきた車両の避難場所は、1600台から5千台に増やした。パチンコ店や商業施設に加え、事業所やゴルフ場とも駐車場の無償提供の協定を結んだ。市有地、国有地も加え、一部は農業用機械も置けるようにした。

 内水氾濫の情報を誰もが共有できるように準備を進めてきた「内水ハザードマップ」はウェブ版として、23年3月からの運用が決まった。浸水の深さが50センチ刻みで表示され、家ごとに浸水時の状況が把握できるようになる。(澤登滋)