笹沢左保さんの直筆原稿を手にする島ノ江修治館長=佐賀市富士町の笹沢左保記念館

笹沢左保さんと森村誠一さんの「海賊船幽霊丸」の直筆原稿

2018年に5枚だけ見つかった貴重な名前入りの原稿用紙=佐賀市の笹沢左保記念館

 佐賀市富士町で暮らした作家笹沢左保さん(1930~2002年)の直筆原稿が、同町の笹沢左保記念館で展示されている。初めて公開する「取調室2 死体遺棄現場」などの整った肉筆に人柄がにじむ。26日まで(22日は休館)。

 ヒット作「木枯し紋次郎」につながる股旅物「雪に花散る奥州路」などの原稿と、作品にまつわるエピソードをパネルで紹介する。絶筆になった「海賊船幽霊丸」は、友人で作家の森村誠一さんが補筆して出版に至った。原稿の途中までは笹沢さんの丁寧な文字が当時の体調を表すように小さく並び、以降は森村さんの流れる筆致が続く。

 笹沢さんは講演で全国を飛び回っていたため、一般的な市販の原稿用紙を愛用していた。18年に記念館で新たに見つかった「無知製造業・日本株式会社」の原稿の中に珍しい笹沢さんの名前入りが5枚混じっていて、それらも初公開する。

 島ノ江修治館長は「生の原稿からは活字になる前の新鮮な意気込みが、しっかりマスに収まったきちょうめんな文字からは人間性が伝わる。直筆原稿を見てから本に戻ると、また違った味わいがあるのでは」と話す。

 画家の髙木宏子さんによる絵画展も併設し、26日午前11時~午後2時には宗俊朗さんが1枚500円で似顔絵を描く(先着30人)。入館料300円(5人以上は1人200円)。問い合わせはミサワホーム佐賀、電話0952(23)7141。(花木芙美)