受診者ごとに機器を消毒するなど、新型コロナウイルスの感染防止対策に取り組む県健康づくり財団の県健診・検査センター=佐賀市

 新型コロナウイルスの影響とみられるがん検診控えが、佐賀県内で長期化している。2021年度に市町が実施した5種類のがん検診受診者数は約15万3400人で、20年度から5%増えたものの、コロナ禍の影響を受ける前の19年度と比べると16・7%少ない。感染者数が減少傾向にある本年度も回復の足取りは鈍く、進行した状態でがんが見つかる人が増えることが懸念される。

 県がん撲滅特別対策室の集計によると、21年度の受診者数は五つのがん全てで19年度を下回った。減少率は胃がんが23・2%と最も大きく、子宮がん19・3%、肺がん16・8%、大腸がん15・3%、乳がん8・8%。子宮がん以外は20年度を上回っているが、感染拡大による検診中止が21年度に減ったことを考えると、回復は鈍い。

 20年度比でも減少した子宮がんに関し、同室は2年に1度の受診を求める子宮頸がん検診をヒトパピローマウイルス(HPV)検査と併用した場合、両方で異常が見つからなければ次回受診が3年後に延びることが背景にあると分析する。

 多くの市町から委託を受けてがん検診を実施している県健康づくり財団(佐賀市)によると、本年度の受診件数も21年度から大きな変化はないという。担当者は「受診者ごとに消毒を行うなど感染防止対策を徹底しているが、『1、2年は検診を受けなくても大丈夫』と考えている人が多いのかもしれない」と話す。

 佐賀大医学部附属病院がんセンターの荒金尚子センター長は「がんは進行する病気であり、待っていてもいいことは一つもない。薬の治療を始めても体が元気でないと効きづらく、副作用が出やすい」と話し、積極的な受診を呼びかけている。(江島貴之)