研究成果を英語で発表する生徒たち=佐賀市の致遠館高

 理科や数学の課題研究成果を英語で報告する発表会が16日、佐賀市の致遠館高であった。理数科の3年生約120人が、物理など4分野でそれぞれ設けたテーマについてプレゼンテーションした。

 生徒たちは昨年度からグループごとに研究に取り組み、年度末に日本語での発表を行った。4月からは佐賀大の留学生らの指導を受けながら、英語での発表に向けて準備を進めてきた。発表は資料の作成から質疑応答まで全て英語を用い、在校生や保護者、佐賀大の教授らが出席した。

 生物・人工衛星分野で「致遠館高校周辺の地衣類についての調査」を手掛けたグループは、藻類と菌類の共生生物である地衣類の栽培実験などを行った。また、学校周辺の2地点で地衣類を採取し、生息する種類や量の違いなどを観察した。

 発表した3年の荒巻汐音(しおん)さんは「質問の答えを英語で説明するのが難しかったけど、課題設定から調査、発表まで自分たちの力で達成できていい経験になった」と振り返った。

 致遠館中・高は2006年度から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けている。先進的な理数教育を通して思考力や判断力などを培い、国際的に活躍する人材の育成を目指している。(德川詩織)