佐賀新聞(令和4年5月6日)の1面に、国立成育医療研究センターが行ったコロナ禍の子たちのメンタルヘルスに関する調査結果が掲載されました。「コロナ禍、小5~中3調査」で、子どもの1~2割にうつ症状がみられたとの内容でした。研究者は、コロナ禍の長期化でストレスが高い状態が続き、子どもたち、さらには保護者も余裕がなくなっている可能性を指摘しています。

 本来、子どもは元気でじっとしておくのが苦手。外で走り回ったり、家の中でもあちこち動き回って、お母さんが面倒を見るのも大変なのが普通ですね。うつ状態に陥ると、睡眠も食欲も遊ぶ元気も失われて、横になる時間が長くなるのが一般的です。子どもたちにも、これほど大きなストレスを与えている事実を知り、辛(つら)い気持ちを感じてしまいました。

 一方で、佐賀新聞(同年5月20日)の記事、患者さんの苦痛「想像絶する」という平畑光一医師の記事にも驚かされました。「後遺症外来」で積極的に診療されている医師で、3800人以上のコロナ後遺症の患者さんを診察されており、その体験談として、「患者さんが訴えるだるさは、倦怠(けんたい)感という言葉でひとくくりにできないほどひどい。歩けなくなり、トイレに行くのがやっとという人が大勢いる。それまで元気だった人が突然動けなくなり、いつ治るかが分からない。想像を絶する苦痛だ」と述べています。

 コロナの感染者数は徐々に減少していますが、その反面、これまでのストレスの蓄積、コロナに罹(かか)った人の後遺症など、まだまだ終息への道には遠い気がしました。たとえ、罹った人の数が減ったとしても、その後の心身面の影響がどうなるのか、今後の課題は山積しています。

 毎週末、佐賀市のクリニックでメンタルヘルスに悩む患者さんの診療に携わっていますが、「コロナ後遺症」と思われる方にまだ出会ったことがないので、私にとっても今後の課題になります。 (九州大学キャンパスライフ・健康支援センター教授 佐藤武)