2018年産からデビューした県産イチゴ「いちごさん」。産地活性化プロジェクトが立ち上がった

 佐賀県は本年度から、イチゴ産地の活性化プロジェクトを始めた。生産農家の高齢化、担い手減少で産地の規模が縮小する傾向に歯止めをかけようと、大規模経営体の育成、収量増加、品質向上などを支援していく。2028年産までに産出額を53億円、約6割増やして144億円にする目標を掲げている。

 プロジェクト推進本部を県イチゴ部会、JA、県の関連機関などで構成する。具体的には、1ヘクタール以上を栽培する先進農家を招いての講座、大規模施設の整備費支援策、雇用確保に向けた仕組みづくりなどを計画する。モデルとなる農家で栽培環境を測定したデータを分析し、収益を上げるためのノウハウを普及させる。

 中山間地で苗の上だけビニールで覆う「トンネル栽培」を確立、普及させるほか、最新技術を使って省力化させる「スマート選果システム導入」も推進していく。

 県によると、10年産で221ヘクタールあった県内の栽培面積(JAグループ佐賀実績)は年々減少し、20年産は128ヘクタールになっている。一方で、反収(10アール当たり収量)は近年、3600~4100キロ台で推移していたが、18年産から導入した新品種「いちごさん」で収量が増加した。20年産は過去最高となる4552キロを記録した。産出額は91億円だった。

 県園芸農産課の担当者は「いちごさんによって収益性が向上して、追い風が吹いてきた。繁忙期の労働力不足、新規就農者の確保などの課題を解決し、稼げる農業を確立したい。生産者の意欲を高めていく」と意気込みを語った。(大田浩司)