山口百恵さんは〈恐くない 恐くない あなたとだったら何でも出来る〉と歌った。西城秀樹さんも〈くやしいけれど お前に夢中〉と。若い頃に聞いた歌手は恋心を熱唱していた。現実の世界は歌のようにはいかず、片思いや失恋もあれば、出会いさえない場合もある◆内閣府が公表した2022年版男女共同参画白書。中学卒業後、「これまでにデートした人数」がゼロという20代の独身女性は約25%、男性は約40%だった。この結果に、若者は「ゲームをはじめ、一人で楽しめる趣味があるから」などとテレビの取材に応えていた◆デートもしないわけだから「配偶者、恋人はいない」という20代の女性は51%、男性は66%。「積極的に結婚したいと思わない理由」では「結婚に縛られたくない、自由でいたい」との回答が最も多かった◆あくまで個人の価値観の問題ながら、少子高齢社会を迎え、行政も手をこまねいてはいられない状況。未婚や晩婚化、少子化に歯止めをかけようとしているが、白書は対策の難しさを突きつけているようでもある◆そんな中で、武雄市お結び課のサポートによる21年度の成婚数が10組と初めて2桁になったというニュースもあった。出会いを求めている人はいる。一人の時間もいいが、〈あなたとだったら〉と、思える人との時間は楽しいはずである。(知)

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