第104回佐賀美術協会展が17日、佐賀市の佐賀県立美術館で始まった。最高賞の美術協会賞をはじめ、洋画、日本画、彫塑、工芸の4部門で入賞、入選した一般公募と、県美術界をけん引する会員、会友らの作品315点が会場を彩る。26日まで。
今年は出品数の4割が高校生。会場全体で、若いエネルギーを感じさせる絵画が多い。蛍光色を大胆に取り入れたり、架空のカラフルな生物をいくつも画面に収めたりするなど目新しい作風も目を引く。また、コロナ禍を象徴するようにマスク姿を強調した作品、戦火にさらされるウクライナの平和の祈りを込めた作品も並ぶ。
工芸では、佐賀錦で表現した夏景色や、伝統的な染織に若い感性を取り入れた作品など幅広い表現を楽しめる。彫塑は、紙や木、FRP(繊維強化プラスチック)と素材も多様。人物や動物、造形物といった大小さまざまな作品が展示されている。
作品を観覧した会員の菊池満子さんは「若い人の作品が多く、エネルギッシュ。その一方で、ベテランの画家の熟練した技術にも圧倒される」と話した。
北島治樹理事長は「コロナ禍にあってか、内面を描き出したものも多い。表現も多様だが、素直に描いた里山や海の風景なども新鮮に見える。対比を楽しんでもらいたい」と話す。(福本真理)