不調を乗り越えて吉報をつかんだ。女子1500メートル決勝は、保楊枝乃綾(佐賀清和)が4分27秒24で5位に入り、初の全国総体出場を決めた。「今年は(調子よく)走れない時期が長かったけど吹っ切れた。決勝はイメージ通り」。ゴール後は目を赤らめ、樋渡朋子監督と抱き合って喜んだ。
「後ろからつけて様子を見る」。体力を温存してタイミングを見極めた。「後半に上げていこう」と集団から1人、また1人と脱落していく中、最後まで食らいついた。
保楊枝は苦しんでいた。「1月ぐらいからずっと伸び悩んでいた」。主将を任されて精神的に苦しい時期があり、練習にも引きずってしまったという。それでも樋渡監督らに相談し「言葉にしたことで楽になった」。
今大会直前の1週間でようやく調子が上がってきたといい「不安はなかった」と言い切る。「(全国は)予選からレベルは高いだろうけど、決勝に進めるように」と保楊枝。復調の勢いそのままに、大舞台でも躍動する。(小部亮介)