九州陶磁文化館所蔵の「染付鳳凰唐草文水注(ケンディ)」(1670~1690年代 柴田夫妻コレクション)。タイで開かれる展覧会では、同館の所蔵品97点が展示される

 江戸時代に佐賀県内から東南アジアに輸出された陶磁器をテーマにした展覧会が、9月にタイの首都バンコクで開かれる。県立九州陶磁文化館の所蔵品97点が現地で展示される予定で、新型コロナウイルスの感染が下火になり、世界各国で旅行客の受け入れが再開する中、県内へのインバウンド(訪日外国人客)誘致にもつなげる。

 県文化課によると、佐賀県とタイは2018年2月に山口祥義知事と同国の芸術局長の間で文化交流に関する覚書を締結しており、展覧会はその一環。19年ごろから協議し、新型コロナの世界的な流行で頓挫していたが、今回ようやく開催にこぎ着けた。

 展覧会は「日本とタイの陶磁器交流~貿易と文化交流の永遠の伝説~」と題し、バンコク国立博物館でタイの文化省芸術局が主催する。会期は9月13日から12月14日までの約3カ月間。九州陶磁文化館からは17世紀後半の有田焼の皿や碗、古武雄の陶器など97点を出品する。白磁の人間国宝(重要無形文化財保持者)の井上萬二氏や、天目の第一人者だった故・青木龍山氏の作品など現代の作品も含まれている。

 九州陶磁文化館によると、東南アジアへの輸出品をテーマにした展示会は珍しいという。タイ側からは「歴史的な重要性があるにも関わらず、タイでは有田焼の知名度が低く残念」という話があり、同館の担当者は「ぜひ有田焼の魅力を知ってもらい、より良い交流につながれば」と話す。

 16日の県議会一般質問でも實松尊徳文化・観光局長がインバウンド需要の回復に向けた取り組みの中でバンコクでの展覧会に触れ、「こうした機会も捉え、本県の文化観光PRイベントを実施していきたい」と述べた。(大橋諒)