佐賀県は16日、県庁や県立図書館など県有施設の男性トイレ個室にサニタリーボックス(汚物入れ)を設置する考えを示した。前立腺がんやぼうこうがんの患者らが使う尿漏れパッドを捨てることができ、県が目指す誰もが暮らしやすいまちづくりにつなげる。

 16日の県議会一般質問で、中本正一議員(公明)が「がん患者だけでなく、加齢による尿漏れやトランスジェンダーで生理がある人など、男性用トイレの個室にサニタリーボックスがなくて困っているという声がある」と述べ、県の方針をただした。

 久保山善生健康福祉部長は答弁で「県民が多様性を認め合い、お互いに尊重し合うことにつながる」と設置の意義に言及し、「まずは県有施設からと考えている。市町や不特定多数の人が利用する民間施設にも理解促進に向けて働きかけていきたい」と強調した。

 県によると、県内で2019年に前立腺がん、ぼうこうがんと診断された男性はそれぞれ596人、101人となっている。県がん撲滅特別対策室は「建設中のアリーナを含め各施設の実情に応じ、関係部署や指定管理者と連携して設置を進めていきたい」としている。

 男性トイレ個室にサニタリーボックスを設置する動きは、埼玉県などの一部自治体や商業施設に広がっている。(円田浩二)