3選出馬を表明し、会見する山口祥義知事=佐賀県庁

 15日の佐賀県議会一般質問で、県知事選(12月18日投開票)に3期目を目指して挑戦することを正式表明した現職の山口祥義氏(56)。「既定路線」と各政党に驚いた様子はない。ただ、九州新幹線長崎ルートの整備方式などを巡り、自民党県議団と山口氏の間には微妙な距離感が生じている。表立った対立候補の動きはないが、今後は推薦問題などでの対応が焦点となりそうだ。

 議会終了後、県庁で記者会見を開いた山口氏は無所属で立候補する考えを示した上で、政党や団体からの推薦については「県民党として県民のためにどうあるかを大切な価値観としている。そこを原点に、後援会を含め関係者と相談しながら決めたい」と述べるにとどめた。

 3選に向けて、SAGA2024(国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会)開催やスポーツを軸とした施策に意欲を示した。長崎ルートや佐賀空港へのオスプレイ配備計画といった国策課題については「基軸としてある『佐賀のことは佐賀で決める』を実践してきた」と強調。今後もその姿勢を貫くとした。

 一般質問で「自民党会派を代表して」と前置きして出馬の意向をただした石倉秀郷議員。山口氏の県政運営に関し「5段階の通信簿でいえば4を超え、80点」と評価した。その上で「自民会派内には国策課題(の対応)を含め、厳しい評価があるものの、2期目全体としてはバランスの取れた県政だとの評価も多い」と“両論”に言及した。

 前回2018年の知事選で自民、公明両党は山口氏を推薦したが、自民県連内からは「国との関係が悪化している」「対抗馬を立てることも検討すべき」との声も聞こえる。

 公明党県本部の中本正一代表は、新型コロナウイルスや災害対応について「しっかりやれている」と評価する一方、国策課題は「丁寧な対応だったが、もう少しスピード感があってもよかった」と評した。推薦に関しては「推薦願があれば協議するが、今は参院選で精いっぱい」とした。

 立憲民主党の江口善紀議員も危機管理の手腕を評価。長崎ルートについては「筋の通った対応」としたが、オスプレイ配備計画は「地元の理解が十分に得られていない」と批判する。政策テーマごとに是々非々で対応していくとした。

 共産党は前回知事選で山口氏の対抗馬として新人候補を推薦した。武藤明美議員は「原発政策やオスプレイの国策課題が弱腰。無投票にはできない」と強調。夏の参院選後に反原発の市民団体などと議論を加速させ、秋ごろまでに無所属の対立候補を選ぶ意向を示した。(栗林賢、大橋諒)