フィリピンの山岳民族に伝わる竹楽器を披露する山下彩香さん=太良町の多良中

 中学生にグローバルな視点を持ってもらおうと、太良町の多良中で9日、英語の特別授業があった。フィリピンの伝統楽器を守る活動に取り組む米ハーバード大大学院博士課程の山下彩香さん(36)が講演し、「英語はあくまでツールで、何をしたいのかが大事。興味を持って行動すれば世界が広がる」と呼びかけた。

 山下さんは福岡県大野城市出身で、東京大在学中に訪れたフィリピンで山岳民族に伝わる竹製楽器に出合った。近代化が進んで忘れ去られようとしている楽器の歴史的背景や、竹林や棚田を生かしてきた現地の暮らしに興味を持ち、楽器の魅力と伝統を伝えるための団体「EDAYA」を立ち上げた。

 団体では調査をしたり楽器をモチーフにしたアクセサリーを制作したりするなど伝統文化の保存と活性化を図っている。活動は中学の道徳の教科書にも取り上げられた。

 山下さんは、フィリピンでの活動内容や現在の米国の生活を紹介し、「やってみたいと思ったことをやれば、その先に見えてくる世界がある。面白いと思えたら、まずやってみることが大切」と生徒たちに語りかけた。

 3年の見陣京香さんは「話を聞いて世界が広がる気持ちになった。海外にも興味があるので、いろんな国の人と話せるようになりたい」と関心を寄せていた。同校は昨年度から県の研究指定を受けて英語学習でICT(情報通信技術)を活用し、海外の学生との交流なども行っている。(山口源貴)