「肥前鹿島干潟」と呼ばれる鹿島市常広の新籠(しんごもり)海岸で6月5日午前、市内外の協力事業者による清掃奉仕活動が行われた。環境に配慮し、持続可能な形で地域や経済の循環を目指す連携協定を鹿島市などと結んでいる佐賀新聞社の地域担当者として、取材を兼ねて作業に当たった。(地域ビジネス部 谷口大輔)

 

 新籠海岸は多様な生態系を育む干潟で、国際的に重要な湿地の保全を目指す「ラムサール条約」に登録されている。これまで車窓から遠くに眺めることはあったけれど、海岸に足を踏み入れたのは初めて。防潮堤のそばに敷き詰められた岩に足を取られながら、岩の間に挟まった草木やビニールの端切れなどを拾い、2時間ほどでゴミ袋2つ分を集めた。

海岸のごみを拾う参加者=6月5日、鹿島市常広の新籠海岸

 ごみの収集場所には漂着した草木や空き缶、ペットボトルなどが次々に集められた。市によると、環境保全に対する市民の意識の高まりなどから、海岸のごみの量は少しずつ減っているという。それでも、ごみ袋の中には農作業で使うかごや油を入れる高さ30センチほどの缶、漁業用の網も見られ、自動車のタイヤなどの粗大ごみもあった。

集められたごみの一部。全体で重さ690キロ分になり、ごみ袋に入らない粗大ごみもあった

 佐賀県から委託を受けて有明海の除草作業などに当たっている鹿島市の土木業者は「海は川を通じて陸地とつながっている。集められたごみの多くは人間が身近な暮らしの中で捨てた物。こうした活動に参加することで、自分事として考えるきっかけになる」。活動したのはわずかな時間だったけれど、じわりと心に染みた。

 清掃活動の参加者は、有明海などの自然環境の保全を目指す「肥前鹿島干潟SDGs推進パートナー」として市の募集に応じた事業所の社員たち。雨模様で参加はきっと少ないだろうと思っていたけれど、市内外の30社・団体や個人を合わせて約160人が集まった。会社の幹部や子ども連れで参加する人もおり、関心の高さに驚かされた。

 

清掃活動に参加した佐賀新聞社地域担当の谷口

 佐賀新聞社は2021年9月、自然景観などの地域資源を活用して自立・分散型の社会づくりや環境・経済・社会の循環を目指す「地域循環共生圏」の推進に向けた連携協定を鹿島市、市ラムサール条約推進協議会と結んだ。今年4月に事業担当となり、これからもっと現地を訪れる機会は増えるだろう。活動日ではなくても、落ちているごみを見つけたら持ち帰ろう。大勢の人たちの手できれいになった海岸を見て、そう思った。