水害に備え、車いす利用者などを救助する県警と消防の合同訓練=佐賀市の嘉瀬川

 雨のシーズンに備え、県警と消防の合同訓練が8日、佐賀市の嘉瀬川河川敷であった。福祉施設が浸水し、車いすを利用している人や目が見えない人をボートに乗せる救助を想定して実施。近年の豪雨災害の教訓を生かし、障害者福祉の視点を取り入れて、丁寧な声かけを実践した。

 熊本県では2020年7月、特別養護老人ホーム「千寿園」のそばを流れる川が氾濫し、逃げ遅れた14人が犠牲になった。19年8月の佐賀豪雨では県警の機動隊員が、武雄市で浸水家屋から要配慮者を救助した例もあり、今後も適切に対応していけるような訓練内容にした。

 高齢者や障害者が施設に取り残されたと想定、嘉瀬川の両岸をボートで渡した。周りの浸水状況を伝え「警察が付き添います」「今からボートで20メートル渡ります」などと声かけした。事前に社会福祉士から注意点を聞き、訓練に臨んだ。

 妊娠中の女性や日本語が得意ではない外国人など必要な配慮はそれぞれあるため、県警警備部の原尚士部長は「安全と、安心を確保する対応が必要になる。間もなく梅雨。教訓を踏まえ覚悟を持って、備えたい」と話した。 

 訓練は約60人で実施し、佐賀広域消防局や県の防災ヘリが参加した。(中島幸毅)