6月は環境月間。ちょうど50年前の1972年6月、スウェーデンのストックホルムで「国連人間環境会議」が初めて開かれたことを記念して定められた。この会議が開幕した6月5日は「世界環境デー」にも制定されている。この会議から20年後の92年6月、国連の「地球サミット」でカナダが「世界海洋デー」を提案。提案日の6月8日が「世界海洋デー」として非公式に始まり、2009年から正式な国際デーの一つとなった。地球環境に対する人類の思いは深いが、取り組みが結実しない。経済成長や効率性だけを重視しがちな価値観を転換し、環境問題に「本腰」を入れることが必要だ。

 50年前、国連人間環境会議最終日の6月16日に「人間環境宣言」が採択された。人類が地球に与える「害」が増大している現状を憂い、自然と協調して人間環境を擁護し、向上させることを誓った。

 だが、半世紀を経た今、人類が地球に与える「害」は、ますますひどくなったと言わざるを得ない。中でも深刻なのは海洋汚染と地球温暖化。分解しないプラスチックごみが海に飛散し、海洋生物の生存を脅かしている。

 言葉が過ぎるかもしれないが、「かけ声」だけに終わっていないだろうか。92年に「気候変動枠組み条約」が国連で制定され、95年から「COP」と呼ばれる締約国会議が毎年のように開かれている。だが、各国の事情と利害関係が絡み合い、なかなか一つになれない。

 こうした現状を憂い、スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさんが抗議行動を起こし、共感した若い世代が地球環境保護の必要性を声高に訴えている。
 グレタさんら若い世代の方が危機感は強いようだ。3月の本紙ひろば欄に、佐賀市の力久あやのさん(当時勧興小6年)が「4R」の必要性について投稿していた。4Rとは「リユース」(再利用)、「リデュース」(排出抑制)、「リサイクル」(再生利用)、「リフューズ」(断る=発生回避)のこと。この推進に向け、4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行された。自治体によって取り組みに温度差はあるようだが、身の回りにあふれるプラスチック製品を見つめ、資源ごみに分別して排出するという趣旨は理解できる。プラスチックごみ問題の対策の一つは「使い捨て」をなくすこと。もはや分別が面倒くさいでは済まされない。

 最近よく耳にする「SDGs」は「Sustainable Development Goals」という英語の頭文字をとったもの。重要なのは「Sustainable」。日本語の意味は「持続可能な」だ。「継続は力なり」ということでもあるだろう。「環境に良いこと」をどうすれば続けていけるか、どうすれば日常生活で習慣化できるかを具体的に考え、実践することが求められる。

 「自分一人」「わが社だけ」が努力しても変わらない、と考える人もいるかもしれない。だが、地球の資源は有限。人々が意識を変え、小さな努力を積み重ねる以外に環境問題は解決できないと思う。経済成長や効率性も大事だが、一枚の紙、一筋の糸、一粒のご飯も粗末にしなかった「丁寧な暮らし」を取り戻したい。今後の50年で「人間環境宣言」の成果が生まれるよう取り組みを急ごう。(中島義彦)