ごみ焼却の熱を利用した蒸気でタービンを回して発電する「バイオマス発電」に取り組む佐賀市清掃工場=佐賀市高木瀬町

 ごみ処理施設でバイオマス発電に取り組んでいる佐賀市は今秋から、市内の企業などに、再生可能エネルギーで発電した電力を使ったとみなす証書(グリーン電力証書)を販売する。脱炭素社会の実現に向け、清掃工場のごみ発電の有効活用を加速する。市によると、ごみ処理施設としては愛知県豊田市、山形県鶴岡市に続き全国で3例目になる。

 市施設機能向上推進室によると、グリーン電力証書は「環境を守ることに貢献した」とする証書で、国内の企業で購入の動きが広がっている。自前の再エネ発電設備を持たない場合でも、証書を購入することで、再エネを利用したとみなされ、企業としての環境保全意識の普及に貢献できる。

 同市は4月下旬に「グリーン電力発電設備」としての認証を取得し、5月1日からグリーン電力量の計量を開始した。清掃工場のバイオマス発電分の全量を証書販売に充てる。年間販売量は一般家庭1千世帯分を脱炭素化できる量に相当する約5500メガワット時、年間販売額は約1千万円をそれぞれ見込む。

 具体的には、佐賀市が契約する証書発行事業者「八千代エンジニヤリング」(東京都)が年間の全量分を買い取る。再エネを利用したい佐賀市の企業などは、八千代エンジニヤリングに購入を申し込む。

 一方で、こうした仕組みが、民間が独自に工夫しようとする脱炭素の取り組みを足踏みさせるとの指摘もある。そのため同課は、事業で得た歳入を、市が行う再エネ事業に充てる方針を示す。担当者は「この取り組みを(脱炭素化に向けた)市内でのいい循環に結びつけていきたい」と話す。(川﨑久美子)