親鳥から餌をもらうコアジサシのひな=佐賀市諸富町の諸富浄水場跡地

 佐賀市諸富町の諸富浄水場跡地で、絶滅危惧種の渡り鳥コアジサシが営巣し、ひなを育てている。昨年も同じ場所で子育てに励んでいたが、ひなは全てネコやカラスに襲われたという。今年は柵などで守られており、無事に旅立ちの日を迎えようとしている。

 コアジサシの営巣は全国で確認されるが、ほとんどは巣立つ前に捕食されてしまうという。今年は日本野鳥の会佐賀県支部が、佐賀未来創造基金の荏原環境プラント「e-さが基金」の助成を受けて柵やカラスよけの仕掛けなどを設置した。5月上旬から卵がかえり始めたものの再びネコの被害に遭ったたため柵を補強し、同支部のメンバーが交代で番をするなど万全の態勢で見守っている。現在10羽ほどがすくすくと育っており、親鳥が運んでくる魚を元気にほおばっている。

 同支部の宮原明幸支部長(68)は「何度も全滅して心が裂けるようだった。今度こそ元気に巣立ってほしい」と話す。ひなは順調に育てば、10日ごろから親鳥と一緒にオーストラリアやニュージーランドに向かって飛び立つという。(写真と文・山田宏一郎)