公正取引委員会が立ち入り検査を続けている佐賀県有明海漁業協同組合の本所=佐賀市の県水産会館

 養殖ノリの取り扱いで、生産者に不当に全量出荷などを求めているとして、公正取引委員会は7日、独禁法違反(不公正な取引方法)の疑いで、福岡、佐賀、熊本3県の漁連や漁協に立ち入り検査した。関係者への取材で分かった。

 関係者によると、生産者に対して水揚げされた養殖ノリの全てを漁連や漁協など、関係団体に出荷するように求めていた疑いが持たれている。福岡有明海漁連(福岡県柳川市)や熊本県漁連(熊本市)、佐賀県有明海漁協(佐賀市)など、関係先約10カ所に立ち入り検査した。

 公取委は生産者の販売方法を不当に拘束しており、独禁法違反の「拘束条件付き取引」や「排他条件付き取引」に該当する可能性があるとみている。

 福岡有明海漁連と佐賀県有明海漁協は取材に対し、立ち入り検査を受けたことを認めた上で「調査には適切に対応していく」などとコメントした。熊本県漁連は「担当者が対応できない」としている。

 漁協による独禁法違反疑い行為は、生産者から不当な全量出荷や価格拘束を強いられているとの声があり、政府の規制改革推進会議の会合でも議題に上り、問題視されていた。ノリの出荷を巡っては、事前に全量出荷を前提とした誓約書を生産者に提出させる行為なども確認されていた。

 水産庁や公取委は昨年11月、漁協の規約などが取引の妨げにならないよう適正取引の指針を策定した。(共同)