佐賀県内の児童相談所が2021年度に対応した児童虐待の相談件数は、前年より89件多い987件(暫定値)だった。県は虐待への社会の関心が高まったことで警察など関係機関からの通告が増えたとみており、把握している00年度以降で過去最多を更新した。

 相談の内訳は、心理的虐待が640件(前年比44件増)と最も多かった。次いで身体的虐待180件(5件減)、育児放棄150件(47件増)、性的虐待17件(3件増)だった。虐待者は多い順に実父498人(42件増)、実母316人(17件減)など。

 心理的虐待のうち、面前DVは528件(40件増)だった。虐待の通告経路は警察が最多の671件(79件増)で、面前DVが多くを占めており、全体数を押し上げた。

 児相の対応は、保護者らへの助言指導が854件(124件増)とほとんどを占めた一方、親子を引き離す施設入所や里親委託は計5件(10件減)だった。県こども家庭課は「関心の高まりや通告の徹底で早い段階での対応が可能になり、重篤化の未然防止につながっている」と話す。

 児童虐待に関する通告や相談は、無料の児童相談所虐待対応ダイヤル「189」で受け付けている。(円田浩二)