南の広場と建物の一体感も評価された県立図書館=佐賀市(DOCOMOMO Japan提供)

随所に有田焼のタイルが使われ、佐賀の特色を盛り込んでいる=佐賀市の佐賀県立図書館(DOCOMOMO Japan提供)

 歴史的、文化的な価値が高い近代建築の記録と保存に取り組んでいる国際的な学術組織「ドコモモ・ジャパン」は6日、佐賀市の佐賀県立図書館を将来に保存すべき「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定した。県内から選ばれるのは、県立博物館(佐賀市)に続いて2例目。

 同組織は近代建築の再評価を進めており、2021年度分として県立図書館や京王プラザホテル(東京)など14件を加えた。登録件数は264件となった。

 県立図書館は1962年完成、翌63年開館。東京大名誉教授の建築家内田祥哉(よしちか)氏(1925~2021年)と、大阪芸術大名誉教授の高橋靗一(ていいち)氏(1924~2016年)(第一工房)が共同で設計した。鉄筋コンクリート造で、館内の随所に有田焼のタイルを用いるなど佐賀の特色を盛り込んでいる。

 ドコモモ・ジャパン登録専門委員会の大内田史郎委員長は会見で、県立図書館を「中2階を設けることで限られた建物の中で床面積を確保している。南側の広場と建物に一体感があり、現在も書庫不足に悩まされながらも竣工当時の意匠をほぼ残して使い続けている」と高く評価した。

 県立図書館の原恒久館長は「建築の大家が若かりし頃、よりよい図書館にするために、衝突を重ねて作り上げた、息づかいが残る建築物。ぜひ多くの人に足を運んでほしい」と述べた。

 内田氏は県立図書館のほか、県立博物館、県立九州陶磁文化館(有田町)や有田焼参考館(同)など佐賀を代表する建築物を数多く手掛けた。(福本真理)