政府は3日、観光支援事業「Go To トラベル」を刷新した旅行割引を実施する検討に入った。名称は改め、都道府県が行う旅行割引「県民割」の適用対象を広域ブロックから、全国に広げる方向で調整。6月中に始める案があり、新型コロナウイルスの感染状況を見極め、来週にも最終判断する。訪日観光客の受け入れ再開に加え、国内客に旅行を促し、コロナ禍で落ち込んだ観光需要を拡大したい考えだ。

 県民割はトラベル事業の代替で、都道府県が住民向けに割引事業を行う場合、国が財政支援。現在は隣県旅行、県境をまたぐ広域ブロックの旅行割引も国の支援対象としている。

 政府はこの枠組みを活用。県民割の利用を申し込めば、全国の宿泊などで割引適用を受けられるようにする。

 トラベル事業は2020年12月に全国で取りやめた。感染拡大の一因となったとのイメージがあり、県民割拡大の方が世論の理解を得やすいと判断したとみられる。

 自民党内には、7月10日投開票が有力視される参院選前は「ばらまき」批判や、感染再拡大の懸念から慎重論がある。一方、7月後半から夏休みに入ると、割引がなくても旅行需要を見込めるため、政府は感染状況をにらみながら開始時期を決める。

 自治体や旅行業界は全国一律のトラベル事業を早期に再開するよう政府に要望。10日から観光目的の訪日客受け入れ手続きが再開されるのを前に、与党内からは「訪日客を入れるなら国内の旅行需要喚起も必要」との声が出ていた。【共同】