成田空港に到着し、空港職員(左)に携帯電話の専用アプリ画面を見せる人=1日(共同)

 入国者の1日当たりの上限が1日から2万人に緩和され、10日からは訪日外国人観光客の受け入れも再開される。「回復の兆しが見えてきた」。新型コロナウイルス禍で苦境にあえいできた旅行、観光業界は歓迎する。ただ以前のようなインバウンド(訪日客)需要による活況は、すぐには期待できず、上限撤廃などさらなる対策を求めた。

 「ようやくツアーの問い合わせが増えてきた」。東南アジアからの観光客を対象とする旅行会社「JV Asia」(東京)の担当者は、ほっとした様子で話した。

 毎年のように業績を伸ばしたが、コロナ禍以降は海外からの客が「ゼロ」に。それがこの2、3週間は秋以降のツアーの見積もりについて問い合わせが来るようになった。「1日1件ほどでコロナ禍前の10分の1程度だが明るい希望が持てる」。

 自治体の観光プロモーション事業に申し込んだり、社員を他業種に出向させたりして苦境を乗り越える努力をしてきた。今後は「鎖国」状態に戻さず「入国上限をなくし、インバウンドを拡大してほしい」と願った。

 期待を寄せるのは旅行大手も同様だ。JTBの山北栄二郎社長は5月27日の決算記者会見で「(政府の訪日観光客の受け入れ表明後)インバウンドに関する問い合わせが殺到し、盛り上がってきている」と指摘。「実証実験も実施し、安全安心の受け入れ態勢を整えてきている」と話した。

 東京や横浜などで観光バスを運行する「はとバス」(東京)。コロナ禍前は英語や中国語のツアーが好調で、2018年度には東京観光の外国語ツアーを約4万5千人が利用していた。現在は休止し再開時期は未定だが、担当者は「営業を続けている都内巡回ツアーを中心に、にぎわいが戻るのでは」と期待する。「マスク着用や消毒といった感染対策をしっかり呼びかけたい」と語った。【共同】

 

「うれしいニュース」 嬉野温泉組合理事長

 

 県外からの観光客も徐々に戻りつつある嬉野温泉。嬉野温泉組合の山口剛理事長は「嬉野温泉にはもともと海外からの観光客が多く来ており、うれしいニュースだ」と歓迎し、「ワクチン接種が進み重症化のリスクも下がっているので、感染への不安よりも期待感が勝る。現時点で予約は入っておらず、段階的な入国上限の拡大を待ち望んでいる」と期待した。(小島発樹)