知的財産の保護について説明する中嶋和昭氏=佐賀市のホテルグランデはがくれ

 農林業分野の知的財産保護をテーマにした研修会が31日、佐賀市のホテルグランデはがくれと県内4会場をオンラインで結んで開かれた。県や市町、JA職員ら約150人が、県産かんきつの新ブランド「にじゅうまる」などが無断で栽培されることがないように種苗法の理解を深めた。

 熊本県の弁理士中嶋和昭氏が、皮ごと食べられるブドウ「シャインマスカット」の海外流出に触れ、韓国や中国で栽培されたことで海外の市場が喪失したなどと説明。日本の小売店で販売されていた苗木が流出したためで、海外への持ち出しが当時は違法ではなかった点に触れた。2020年に改正された種苗法で持ち出しを制限し、国内栽培地を指定できるようになったことも紹介した。

 県農政企画課は、県内の知的財産を守る条例案を6月定例県議会に提案することを説明。弁理士会と連携し、権利侵害を見張る「品種Gメン」を設ける事業についても紹介した。同課は「にじゅうまるは21年、サガンスギは56年もの開発期間がかかっている。県ブランドを守り、生産者の所得を向上させよう」と呼び掛けた。(大田浩司)