大規模災害時のトイレの充足見込み

 大規模災害時に使えるトイレについて、道府県庁所在地の市と政令指定都市計51市の39%にあたる20市が「不足する恐れがある」と考えていることが29日、各市への調査で分かった。避難者数が膨大で、自治体の備蓄分だけでは対応に限界がある現状が浮かんだ。「足りる見込みだ」という21市(41%)の中でも、家庭などで災害用トイレの備えを促す自治体は多い。

 過去の災害では、断水などで多くのトイレが使えなくなった。不衛生なトイレに行かないよう、水分を控えて体調を崩す人も後を絶たず、国が備えを呼びかけている。

 佐賀市は、避難者数に応じた災害用トイレの必要数の「試算がある」とし、充足の見込みについては「不足の恐れがある」と回答。具体的な対応については、簡易トイレと併せて使用する手すりを備蓄しているほか、避難所での防犯対策として防犯ブザーを設置しているとした。

 調査は4~5月、東京都を除く道府県庁所在地の46市と、それ以外の政令市5市を対象に実施。内閣府が指針で示す(1)1人が1日平均5回使用(2)当初は避難者約50人当たり1基―などの基準や、想定避難者数に沿って必要なトイレの数を算出、備蓄分と比べて答えた自治体が多いとみられる。

 トイレの充足見込みとして、想定最大規模の災害発生から3日間の見通しを尋ねた。「不足する恐れ」「足りる見込みだ」以外の回答は、「分からない」「その他」がいずれも5市だった。

 想定避難者数に応じたトイレの必要数について「試算がある」としたのは42市。「試算はない」が7市、「その他」が2市だった。

 一方で、基になる自治体の想定避難者数は約57万7千~約6400人と大きな幅があった。避難所にいる人だけトイレの利用者として算定した市も少なくない。

 過去には、被災を免れても自宅の水洗トイレが使えなかった人や、車に寝泊まりしてトイレに困った人も多い。

 備えているトイレの種類を複数回答で尋ねたところ、下水道につなげた専用マンホールの上に便器を取り付ける「マンホールトイレ」が最多の46市に上った。小型で持ち運べる「簡易トイレ」が45市、凝固剤が入った便袋の「携帯トイレ」が35市、組み立て型の仮設トイレは30市だった。【共同】