点灯された「親子鯨の山車」。関係者が完成を喜び、拍手でたたえた=唐津市呼子町の鯨組主中尾家屋敷

和紙作家の堀木エリ子さんが制作した鯨の山車=唐津市呼子町の鯨組主中尾家屋敷

伝承されてきた民謡「呼子ハイヤ節」も披露された

 10月の呼子くんちで町中を巡る「親子鯨(くじら)の山車」のお披露目会が28日、唐津市呼子町の鯨組主中尾家屋敷で開かれた。セミクジラを和紙で立体的に表現した2台で、地元住民や関係者ら約100人が完成を祝った。

 京都市の和紙作家・堀木エリ子さん(60)が骨組みやのりを使わず、縄や糸をすき込む独自の手法で作り上げた。最も高い部分が約2・5メートルで、呼子の文化が世界へと広がるという意味を込めて羅針盤や、七宝などの伝統文様をあしらった。

 横浜市の会社社長だった進藤幸彦さん(唐津市坊主町出身)が2015年、呼子町で江戸時代に捕鯨が盛んだったことから、鯨の山車制作を地元住民と構想した。16年12月に亡くなった進藤さんの遺志を家族らが引き継いだ。完成品は呼子町に寄贈し、中尾家屋敷に常設展示される。

 式典には進藤さんの妻宏子さん、次男さわとさん(46)=横浜市、堀木さん、峰達郎唐津市長が出席した。山車が点灯されると、会場から拍手がわき起こった。さわとさんは「素晴らしく、感無量。呼子の明るい未来を描きながら、サポートを続けたい」とあいさつした。呼子くんち実行委員会の山下正雄会長は「祭りを通して子どもたちが呼子に愛着や誇りを持ってほしい。地元活性化に向け、町民で一致団結したい」と力を込めた。(横田千晶)