明治20(1887)年創業のツルヤ菓子舗(唐津市刀町)が、唐津くんちの14台をかたどった人形焼「曳山(ひきやま)んじゅう」を製造、販売している。細部までこだわり精巧に曳山(やま)を“再現”。創業以来の定番商品カステラの生地と自家製あんこの伝統を融合させた。
「曳山せんべい」など和菓子中心だった本店(呉服町)は2020年夏に閉店。18年春から洋菓子、喫茶のコンフェクショナリー「TSURUYA」を開いており、今回、かつて販売していた最中(もなか)の粒あんを復活させ、カステラと組み合わせた。
生地の型づくりは、機械工業の集積地として知られる石川県小松市の製作所に依頼。実際に曳山を2度見に来てもらうなど修正を重ね、14台それぞれをよりリアルに仕上げた。その分、生地が細かい部分に入り込むよう配合調整に手間をかけた。
唐津神社春季例大祭にあわせて4月29日から販売している。1個189円(税込み)で、箱入り14個2894円(同)などセットもある。小松市は旧唐津鐵工所の創業者と関係があり、林茂樹店主(47)は「たまたまだが結びついた。菓子でくんちの盛り上げや歴史、伝統を支えることになれば」と話す。
営業時間は午前10時から午後6時(日曜・祝日は同5時)。定休は原則月曜日。電話0955(88)9092。(松田毅)