女性の高齢出産が問題になっていますが、男性も35歳を過ぎると精子力が衰え、妊娠成立までの時間が長くかかるようになります。この傾向はパートナーである女性の年齢には関係がありません。父親が高齢になるほど、流産や子どもの先天異常の割合も増えます。

 高齢出産後の育児と介護のダブルケアも気がかりです。もちろん、デメリットばかりではありません。高齢の父親は経済的・精神的に余裕を持って育児ができるというメリットもあります。育児も含め、どのような働き方、暮らしをしたいですか。

 ところで、男性の精子力の低下には、年齢の他に生活習慣が影響します。例えば、喫煙は精子の濃度、運動、量だけでなく、DNAにダメージを与え、流産・死産の原因になります。また、精子の寿命はおおよそ2~5日で、それ以上だと死滅する精子が増えます。ですから、精子の質を保つために定期的な射精が必要です。

 精子は熱に弱く、37度を超えると作られにくくなります。精子の適温35度を保つために睾丸(こうがん)は体の外にぶら下がっています。下着はブリーフよりもトランクス、ゆったりしたズボンを選び、お風呂はぬる湯に入るのが良いのです。デスクワークでは1時間に1回は動き、股間周りの血流を良くしましょう。週に3時間以上のサイクリングは勃起障害と関連がありますので注意しましょう。

 ところで男性用育毛剤による精子の減少が気になります。影響は1%未満ですが、妊活中の使用は避けた方がよいでしょう。男性にも妊娠適齢期があり、子どもを授かるために、それなりの責任があります。

 「精子力を高める7か条」

 1.禁煙すべし。2.禁欲するなかれ。3.ぴっちり下着は避けるべし。4.サウナ、長風呂は控えるべし。5.膝上でのPC操作に注意すべし。6.自転車で股間を刺激するなかれ。7.育毛剤に気をつけるべし。

 ※参照:岡田弘氏(泌尿器科医、専門男性不妊)ホームページより、http://maleinfertility.jp/

 (佐賀大学教育研究院医学域医学系=母性看護・助産学領域=教授 佐藤珠美)