ロースドルフ城の「陶片の間」を再現した空間展示で解説する保科眞智子さん=西松浦郡有田町の県立九州陶磁文化館

ロースドルフ城の「陶片の間」を再現した空間展示=西松浦郡有田町の県立九州陶磁文化館

 第2次世界大戦で破壊された古伊万里を戦争遺産として展示する特別企画展「海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇」(佐賀新聞社など後援)が28日、西松浦郡有田町の県立九州陶磁文化館で開幕する。古伊万里の陶片を軸に、中国やヨーロッパ磁器との交流の歴史を浮き彫りするコレクションで、戦争の愚かさや悲惨さをも訴えてくる。

 開幕に先立ち、27日、ロースドルフ城を初めて日本に紹介した裏千家茶道家の保科眞智子さん(50)=東京都=を招いた内覧会が開かれた。会場には城の内部を再現した空間展示もあり、保科さんは「城主のピアッティ家は破壊されたコレクションを捨てることなく、歴史の生き証人として、1945年当時のままに残してきた。割れてなお、陶片は一つ一つが宝石のように見える」と解説した。

 一部の作品は日本の技術によって陶片から修復したが、ピアッティ家の意向により、あえて傷跡を残す形にとどめている。

 特別展は2020年に東京・虎ノ門の大倉集古館からスタートした巡回展の最終会場。佐賀会場はロースドルフ城の陶片に、九州陶磁文化館の収蔵品32点を加えた192点で構成している。

 会期は7月18日まで。観覧料一般600円、大学生300円。高校生以下無料。障害者手帳、指定難病受給者証所持者と介助者1人は無料。月曜休館(7月18日は開館)。問い合わせは九州陶磁文化館、電話0955(43)3681。(古賀史生)