インドの農家に独自の栽培ノウハウを教えているアグリッシュの吉田章記さん=唐津市石志

現地で高糖度トマトの苗を定植する農家=インドのタミルナド州(提供)

 ベンチャー企業と農家が連携し、人口13億人のインドで日本の農産物を生産する実証実験を始めた。唐津市のトマト農家も手を組み、インドでは珍しい高糖度トマトの栽培ノウハウを現地の農家に伝授。富裕層の需要を見込み、日本ブランドの農産物をPRする。

 衛星画像で農地データの提供などを行うサグリ(兵庫県)が事業を展開し、トマト栽培のアグリッシュ(唐津市唐房)の吉田章記さん(44)が、オンラインで現地農家に栽培方法を教えている。

 吉田さんは土の代わりにヤシ殻や、菌を通さないシートを使った特殊な農法を採用。10度を超える糖度で栄養価も高く、トマトジュースは東京都の五つ星ホテルで提供されている。

 サグリは2019年からインドで事業に取り組み、農家の所得向上に向け衛星データを使った営農情報の提供などを行ってきた。インドのトマトは酸味が強く、加熱料理に使うのが主流で、市場価格は低いという。生食用で糖度の高いトマトは珍しく、富裕層などの需要が見込まれる。

 坪井俊輔社長(27)は「インドの人の味覚に合う品種も探り、現地のトマトと差別化する。トマトに限らず、日本産の農産物をブランド化して売り出したい」と力を込める。

 実証実験では、タミルナド州にあるビニールハウスの約6メートルの畝うねに、日本産とインド産の計4品種を植えた。水やりは自動化し、トマト苗が吸う最小限の水を与える。

 吉田さんは「暑くて水が貴重な地域でも作れる。栽培や管理の方法、ジュース加工などの技術が世界に受け入れられるか勝負したい」と話し、「野菜は鮮度が命。遠いインドでも、日本ならではの甘いトマトを味わってもらい、日本の農産物の評価を高めたい」と期待を込める。(横田千晶)