流れるような青の紋と、辰砂の赤のコントラストが美しいつぼ

四郎窯 副島信幸さん

 嬉野市嬉野町にある四郎窯は副島信幸さん(60)が営む窯です。副島さんは22歳の時に会社勤めを辞め、帰郷。父・四郎さん(故人)が開窯した四郎窯で陶芸活動を始めました。「帰郷当初は父が制作をして、私は釉薬(ゆうやく)の研究に専念することができました。それが今の釉薬の基礎になっています」と語り、13種類の釉薬を基本に辰砂(しんしゃ)、天目、青磁、白磁の作品を制作しています。

 「計算し尽くしても変わる曜変天目(ようへんてんもく)の妖(あや)しさに魅了されている」と語る副島さんの代表作は「辰砂」と「天目」。「辰砂」は釉薬に含まれる銅が窯の中の強い炎で還元され、赤い色を発色することから「辰砂」と呼ばれるもの。辰砂釉は、銅や錫(すず)などの天然の鉱物と土石を調合し、配合率をわずかに変えると焼成後、桃色、濃い紅色、紫炎色と発色するそうで、花器、壺、小鉢、皿、マグカップ、ぐい呑のみなどの作品は人気が高くコレクターがいるほど。

 天目は漆黒の色で、下絵をしても絵柄が出ないため、配合を変えた釉薬で模様を描いています。漆黒の中に浮かび上がる模様は、自在に釉薬を操る高い技術から生まれたもの。日々研さんを重ね、炎と向き合い、新しい釉薬の作品づくりに挑んでいます。問い合わせは電話0954(42)1239です。

(地域レポーター・二宮幸枝=江北町)