発刊された「江北町誌」。1980年代以降の町の変遷に加え、全35地区の歴史、鉱害復旧についても詳述している。町にあった映画館やパチンコ店など懐かしい写真も並ぶ

 江北町が町制施行70周年を記念して編さんしていた「江北町誌」が出来上がった。1982年発刊の「江北町史」以降の町の変遷に加え、鉱害復旧とともに歩んだ町の発展を記録。町内全35地区ごとの歴史や伝承もまとめた。全戸に無料配布する。

 B5判、662ページ。編集は郷土史家ら5人の執筆者に加え、12人のライターが地区の古老らからの聞き取りを重ねた。製作期間は6年間。伝承や祭り、芸能など民俗誌的な内容を含んでいるため「町誌」とした。

 3編で構成。第1編は杵島炭鉱の歴史をひもとき、地盤沈下や地下水枯渇などの鉱害からの復旧をまとめた。第2編は1980年代以降の町の変遷を記録。江北バイパス開通や上下水道整備、福祉やスポーツ、産業の取り組みなどを伝えている。第3編は「町の物語・歴史」として、平成の大合併の際の町と周辺自治体の動きや整備新幹線を巡る反対運動などを伝え、加えて地区ごとの歴史や祭り、風習も紹介している。

 鉱害復旧について明治時代からの歴史を含めて詳述したことや、白木聖廟など旧町史に記載がなかった事案を補ったのが特徴。地区ごとに「語り部会」を開いてもらって戦時中の話なども記録に残し、編集者のコラムも25本加えて、親しみやすく、分かりやすい内容になっている。

 町内全戸(約3600戸)に配った引き替え券と交換で役場で無料配布するほか、3千円で販売もする。総事業費は2200万円。

 山田恭輔町長は「町制70周年の年に改めて町の歴史を記し、新たなスタートを切りたい」と話した。(小野靖久)