旧杵島郡福富町の町報に連載された4こま漫画「福野富さん」の複製原画展(福富ゆうあい館、30日まで)を見た。作者は元警察官の泉輝央(てるお)さん(89)。白石署に勤務したのを縁に、掲載は28年近く続いた。四季の移ろいや地域の暮らしぶりがほのぼのと描かれている◆作品の一つに、タマネギの収穫作業を手伝う兄妹の様子があった。丸々と育ったタマネギが入ったコンテナを持ち上げたお兄ちゃんは〈ウ~ン重い〉。その顔を見た妹は〈兄ちゃんの目玉も丸々で玉ネギみたい〉。四つのこまが「起承転結」の手本のように並んでいる◆佐賀県は北海道に次いで全国2位のタマネギ産地。今年は北海道産の不作などが影響し、出荷価格が跳ね上がっているという。物価高騰の中、家計にとっては痛手だが、生産者は重いコンテナが例年よりも軽く感じられるのではないか◆過去には価格低迷で出荷ができず、廃棄処分された年もあった。豊作、不作で価格が上下するのは農産物の宿命。消費者だけでなく、小売店も大変だが、北海道産が出回る8月ごろまで高値基調は続くとみられる◆佐賀県が主産地となっているタマネギや麦などの取材では「責任産地」という言葉をよく耳にした。良い時も悪い時も、生活に必要な作物を安定的に供給する-。佐賀の農家の胸にある気概も丸々として大きい。(知)

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