避難所利用時を想定して、実際に避難スペースで子どものケアをして確かめる参加者=佐賀市高木瀬のエコプラザ

 佐賀市は25日、人工呼吸器などを日常的に使用している医療的ケア児を対象にした避難訓練を初めて実施した。当事者や家族らが、避難所に指定されている佐賀市エコプラザ(高木瀬町)を訪れ、呼吸器などの機器を動かすために必要な電源の位置や設備、大雨時の周辺の浸水状況などを念入りに確認した。

 佐賀市は、2020年に初めて医療的ケア児の避難所を市役所に設定したが、保護者から停電時の対応に不安の声が上がっていた。それを受けて、昨年度から自家発電ができるエコプラザを避難所に指定、出水期前に訓練を実施した。

 訓練には医療的ケア児3人と保護者らが参加、エレベーターの大きさやコンセントの位置、避難時の寝具などを確認した。避難スペースには、パーティションで仕切られた空間に段ボールベッドと空気ベッド、簡易マットなど避難所開設時に準備する備品を置いた。

 保護者から「自家発電はどのくらい持つのか」「ここ数年の一帯の浸水状況は」などの質問があり、職員が「災害時でもゴミは出るため、ゴミが持ち込まれる限りは停電の可能性はない」と説明。大雨時に道路が冠水する可能性があるとの説明に保護者は「早めの避難所開設を」と要望した。

 佐賀市本庄町の小寺忍さん(47)は「避難所の雰囲気やコンセントの位置を知ることができてよかった」と話した。

 市の担当者は「避難の様子は想定するだけでは限界があり、体験することが大事。今回の指摘は今後の避難所運営に反映させたい」と話した。(中島野愛)