国の特別名勝「虹の松原」(唐津市)を松くい虫の被害から守ろうと、林野庁佐賀森林管理署は24日早朝、ヘリコプターによる薬剤の空中散布を実施した。
薬剤は松を枯らす線虫のマツノザイセンチュウの“運び屋”となるマツノマダラカミキリを駆除する効果があり、羽化する時期に合わせて散布している。
松浦川運動広場にヘリの発着場を設けて午前5時から始まり、約2時間、計11回のフライトで国有林142・9ヘクタールに計約4300リットル(1ヘクタール当たり30リットル)をまいた。散布中、松原内の県道は通行止めになった。
松くい虫の被害は1992年度の2334本をピークに減り、昨年度は196本だった。白石健二署長は「虹の松原は地域住民の生活を守る上でも大切。伐倒や薬剤散布など保全活動に努めたい」と話した。(松岡蒼大)