「ふるさと勧興」の改訂版(右)と2009年発刊の冊子を手にする「勧興の歴史を知る会」の人たち=佐賀市の勧興公民館

 佐賀市の勧興小校区の有志で手がけた地域の歴史や文化を紹介する冊子「ふるさと勧興~地域と共に~」が発刊された。神社仏閣や文化財、老舗企業、輩出した「偉人」、散策用のマップなど多彩な内容で、商店街などが含まれる市中心部の魅力をまとめている。

 「ふるさと勧興」の2009年の発刊から10年ほどたって改訂版を作成する機運が高まり、企画した。19年9月に「勧興の歴史を知る会」を立ち上げ、会員8人を中心に関係者の協力を得ながら2年かけて完成させた。歴史的な事実関係などは徴古館(同市松原)の元副館長の藤口悦子さんが監修した。

 冊子はB5判、174ページ。佐嘉神社や龍造寺八幡宮、長崎街道などを歴史とともに説明したり、歴史学者の久米邦武や画家の岡田三郎助ら功績を残した出身者を取り上げたりしている。地域の移ろいを知る住民との対談も収録した。佐賀新聞社の項目では、1884(明治17)年の新聞創刊の経緯や松原町(当時)にあった旧社屋、大和紡績跡地での新社屋建設などの沿革を紹介する。

 勧興小の校名は、佐賀藩の藩校の弘道館で用いられていた「礼記」の文中の「勧功興学」に由来していることも解説している。表紙は約10年前に同校の5年生が描いたマップを採用した。

 冊子は校区内の全世帯に配布した。勧興校区まちづくり協議会の小城原直会長(79)は「子どもたちやふるさとを離れた同郷の人たちが誇りと愛着を持ってくれれば」と話す。(中島野愛)