県立美術館で開かれている第74回二紀展巡回佐賀展(二紀会・同佐賀支部主催、佐賀新聞社後援)は個性的で、創造性豊かな美の世界が魅力。県内からは巡回作品を含めて17人の作家が出品している。独自の世界観を存分に発揮する若手からベテランまで、県内作家の作品を紹介する。(福本真理)
二紀会佐賀支部は45周年を迎える。研究会を開き、研さんを積むほか、毎年8月には支部展を開いている。今回並んでいる若手からベテランまでの作品も個性が際立つ。
開幕に合わせて来佐した二紀会の吉岡正人理事は、佐賀支部の作家の特徴について「アマチュアというより、プロ志向の集まり。本格的な作品が多い」と印象を語る。
塩月悠さんの「ドリップ」は、具象と抽象が混在。ゆらめくような人物像が浮かび上がる。山田婦紀子さんの「響く静寂」は、ベニヤ板に墨で描き出した水の流れが清涼感を醸し出す。先崎民憲さんの「刻」は、心の叫びをテーマに、五島をイメージした心象風景。
同支部は「多様な見方、発想の自由を知ってほしい。大作からエネルギーを感じて」と来場を呼びかけている。
■「二紀展巡回佐賀展」?日まで。一般800円、高校・大学生500円。中学生以下、障害者とその介助者1人無料。土、日は午後2時からギャラリートーク