標高約600メートルの湿原にひっそりと咲くマツランの花=佐賀市富士町

標高約600メートルの湿原にひっそりと咲くマツランの花=佐賀市富士町

 佐賀県のレッドデータブックで絶滅危惧1類に指定されているマツラン(ベニカヤラン)が、佐賀市富士町の山中でひっそりと開花している。標高約600メートルの湿原周辺に自生するクロマツの枝に着生。かれんな黄色い花が、野鳥の声だけが響く水辺を彩っている。

 マツランは短い茎から細い根を出して枝から垂れ下がる。成長は非常に遅く、花も直径わずか1センチしかない。

 県の自然保護監視員・鳥谷信明さん(85)によるとマツランはごく限られた条件でしか育つことができないため、人工林の増加で県内ではほとんど見られなくなったという。

 鳥谷さんは「持ち帰っても育てられない。もし見かけたら、そっと見守ってほしい」と話していた。(中島克彦)