原発が立地する13道県

 ロシアによるウクライナ侵攻で運転中の原発が攻撃されたことを受け、共同通信は21日までに、日本国内の原発防護態勢に対する考えを、立地する13道県と原発を持つ電力11社(建設中を含む)に取材した。原発の安全対策が武力攻撃を想定していない現状について、ほぼ全ての道県が国で検討すべき課題だとの考えを示した。

 電力各社も「外交上、防衛上の観点から国が対処する課題」などとし、自主的に対策を取るとした社はなかった。九州電力も同様の認識を示し「引き続き、国の対応状況を注視していく」と答えた。史上初めて現実となった原発攻撃という事態に加え、北朝鮮の相次ぐミサイル発射実験などで安全保障上の懸念が高まる中、国レベルの広範な議論が求められそうだ。

 武力攻撃への対応については、福井県が「国において(原子炉等規制法や国民保護法といった)関係法令などの内容を検証し、その結果と対応方針を明らかにすべきだ」としたほか、「国民の不安や懸念が高まっており、国が明確な説明責任を果たすべきだ」(茨城県)など、国に検証と説明を求める声が目立った。

 宮城県は「武力攻撃への対応は、国において外交および防衛の観点から検討すべき事項」、石川県も「原子力規制や原子力防災の範疇(はんちゅう)の問題を超えており、国全体の防衛体制の中で検討すべきだ」とした。

 佐賀県は「そもそも武力攻撃のような事態に陥ることがないよう、国には外交などのあらゆる努力をしてほしい」とした上で「国防の観点から国が責任を持って検討してほしい」と答えた。

 取材は3~4月、質問票を送付して回答を得た。新規制基準で武力攻撃を「想定するべきだ」「想定しなくてよい」との選択肢を示したが、どちらかを選んだ自治体や電力会社はなく、全てが自由記述で答えた。

 ウクライナ危機に伴うエネルギー供給不安から、停止中の原発の緊急的な再稼働を求める動きが経済界や政党の一部から出ており、緊急的な対応が必要かについても尋ねた。九州電力は「お答えする立場にない」、佐賀県は「エネルギー政策は国が責任を持って決めるべきこと。安全の確保を大前提としつつ、安定的で安価なエネルギー供給の確保に取り組んでほしい」と答えた。